スウェーデンのホームパーティー

2017年夏の買い付けレポートです。前回は巨大ユールボックで有名なイェブレを出て、友人の実家のあるスウェーデン北部のスンツヴァルに到着したところまででした。

実は今年結婚した友人の日瑞カップルの結婚お披露目パーティーに乱入させて頂いたのです。この日はスウェーデンの夏至祭にあたり、遠方からも親戚の皆さんが集まっていました。これは彼女のために用意された美しい花冠。まさに夏至祭の雰囲気です。

風船とリボンで飾られたリビングの壁の一面だけ柄物の壁紙。こういう壁紙の一部使いが好きで、以前からやってみたかく、フクヤのお店を作った時に実現しました。

食前酒が用意されたテーブル。ヨーロッパではしばしばこうして食事の前に別室でお酒とおつまみを頂いて歓談の後、ダイニングに移って食事をします。

軽く飲み食いしながら簡単なカードゲームで遊んで、テーブルセッティングされたダイニングへ。ちなみにこの時のゲームでバカ勝ちして日本のお土産をいくつもいただいてしまったので、スウェーデンのご親戚にお分けしました。

前菜は森で狩ったヘラジカの心臓のスモーク。初めて食べた心臓は美味しかった!ネームカードは彼女が一つ一つ作ってくれたもの。

メインはポークとヘラジカとサーモン。スウェーデンらしく、バイキング形式で。

ソースはグレービーソースとドラゴンソース。私はドラゴンソースって何?!と思ったのに、「こっちがドラゴンソース」と説明された皆さんから何の質問も出ないので、益々不思議な気持ちに。後で質問するとスパイスのエストラゴン(タラゴン)のスウェーデン語だとか。

ヘラジカもポークも美味しい。ちなみに大小のお皿を2枚重ね、上の小さなお皿で前菜(あるいは魚料理)を食べ、下の大きなお皿でメイン(あるいは肉料理)を食べるのは、スウェーデンとデンマークのセミフォーマルなホームパーティーでの形式です。

お代わりもして、お腹いっぱいになったところでデザートの登場です。テーブルに呼ばれてビックリ!

なんと、全部お母さんの手作りの焼き菓子。驚愕!!

シナモンロール、ハッロングロットルのようなお馴染みのお菓子から

初めて見るお菓子まで全部で9種類ありました。

手前に用意されたコーヒーカップとケーキプレートをまず手に取って…

お腹いっぱいと言いながら、全種類をお皿に。スウェーデンのおもてなしでは7種類のお菓子を用意するのが主婦の誉らしいのですが、それを凌駕する9種類。

全部の名前を教えてもらいました。お母さんは分厚いヒミツのレシピ帳を持っていて、そこには手書きや切り抜きがびっしり。お菓子は買ったことが無いのだそう(名前が間違っていたらごめんなさい)。

そしてデザートの最後は、これも手作りのウェディングケーキ。ベリーケーキに緑のマジパンでカバーがしてあるのがプリンセスケーキのようで、いかにもスウェーデン的。

身内だけのパーティーに申し訳ないと思いつつ好奇心には勝てず押しかけてしまいました。それなのに、あたたかなおもてなしと、美味しい料理をいただき、本当にありがとうございました。素敵な思い出になりました。そして、お幸せに!!

ミタ


↓Fukuyaのお店へはここをクリック↓

フィンランドと関係がある?ロールストランドのハートの器

ハートの連続模様が愛らしいスウェーデンのロールストランド製Silja(シルヤ)のオーブン用浅皿です。

グラタンはもちろん、単に野菜を並べてオーブンで焼いてもいいし、こんな風にお菓子に使っても(これは撮影のために別の容器で作ったものを移していますが)。

このお菓子はスウェーデンではお袋の味のひとつ、ベリーパイのアレンジです。パイと言ってもイギリスのアップルクランブルと同じく、フルーツの上にクランブル生地をかけてオーブンで焼いたもの。今回は解凍し水けを切った冷凍のベリーミックスに、砂糖、小麦粉、アーモンドプードル、バターを同じ重さ(50gずつ)で作ったクランブル生地で。以前エヴァさんに教えてもらったレシピのオートミールをアーモンドプードルに替えた感じです。

さて、実は春の買い付けで一つ買い付けてきたら、サイトに既に同じものが一つアップされていました。なので、在庫を足して、今は二つになっています。家族分欲しかった方はどうぞこの機会にご利用ください。

ところで、話は遡りますが、この仕事を始めたばかりの10年チョイ前にフィンランドでディーラーさんに「Silja(シルヤ)はビルイェル・カイピアイネン作と言われているのよ」と教えてもらいました。その時は今よりもずっと知識が無くて、心の中で『ロールストランドはスウェーデンなのに、カイピアイネンなんて変ねえ』としか思わなかったのですが、その数年後にカイピアイネンがロールストランドに招聘されてデザイナーとして働いていた時期があると知り、ハッとこの話を思い出しました。

カイピアイネンがロールストランドに所属していたのは、1954年から58年。当時のカイピアイネンの作品はロールストランド博物館に所蔵されています。ご興味のある方は下記リンク先からご覧くださいね。記事中ごろに写真があります。
ロールストランド博物館に行ってきた(その2)

Silja(シルヤ)は作者不明のシリーズとしては珍しく、製造期間が分かっています。1961年から67年。カイピアイネンがデザインしたとすれば面白いのですが、製造年から思うと、恐らく違う人でしょう。

と、ここまで考えて、ふとあることに気が付きました。Silja(シルヤ)はフィンランドとスウェーデン間のフェリーを運航しているフィンランドのフェリー「Silja Line(シリヤライン)」と同じ綴りではないですか。では「Silja」って何なのかしら、と調べるとフィンランドの女性名でした。

もちろん北欧全般では言葉が共通していることが多いため、スウェーデンでも使われてはいますが少なく、主にフィンランド(と、フェロー諸島)で付けられる名前だそう。実際フィンランドでは11月22日がSiljaの名前の日ですので、かなり一般的に使われているのでしょう(名前の日についてはいつかそのうち…)。

カイピアイネン説は、もしかして当たらずも遠からずで、デザインにフィンランドが関わっていたのかも?シリーズ名からそんな想像が広がっていきました。

ミタ

あるいはフェロー諸島?それは多分違うなあ。


↓Fukuyaのお店へはここをクリック↓

アスパラガスと静謐なアンティークがモチーフのデザイン

もう、本当に気が付けば2か月も前の話になってしまって申し訳が無いのですが、5月の終わりに北海道のPresseさんが「旬の味をどうぞ」と立派なアスパラガスを送って下さいました(嬉しいサプライズ!)。

札幌市の谷口農園さんが無農薬、無化学肥料で作っているアスパラガスだそうです。

さっと塩茹でし、同封されていたリーフレットのお勧め通り、オランデーズソース(生まれて初めて作りました)をかけて、温かい内にいただきます。

ポクポクしていて美味しい!アスパラガスがポクポクしているなんて初めての体験です。アスパラガスの見方が変わる体験でした。北海道と言えば海鮮やジャガイモのイメージでした。他にも美味しいものが沢山あるんですね。

アスパラガスを盛り付けたのは、アラビアのケーキトレイ「Antique(アンティーク)」です。その名の通り、アンティークの道具たちをエッチングのようなタッチで描き、写真技術が無かった頃の製品カタログの雰囲気がします(この写真はフィンランドのガラス博物館にあった、1800年代の製品を紹介したリーフレット)。

ですので、製造が1960年代から70年代と分かった時は「え、そんな最近なの?」と思ったくらいです。

デコレーションはエステリ・トムラ。植物画で知られている彼女にしては、珍しい静物画のイラストで、タッチも他にない雰囲気がします。ただ、対象を細かく観察して描く様子は正に彼女のもの。

実は最近ちょっとクラシックなデザインも気になっていて、この夏の買い付けで自分用にロールストランドの100年以上前に作られたアンティークのプレートを買ってきました。

そんなアンティークなデザインがお好きな方にもおすすめのトレイです。製品は下記リンク先からご覧ください。

Arabia Antique (design) ケーキトレイ

ミタ


↓Fukuyaのお店へはここをクリック↓

あのイェヴレで現場検証とクネッケブロートの美味しい食べ方

買い付け&北欧の夏満喫(予定)の旅がスタートしました。行きは前回と同じく貯まったマイレージを使ってビジネスクラスにアップグレードしました。これで持っているマイレージはすっからかん。またコツコツ貯める楽しみが出来たとも言えます。行きの飛行機の話は、またそのうち。

さて、成田からデンマークのコペンハーゲンに到着し、乗り換えてスウェーデンのアーランダ空港へ到着したのは夕方6時過ぎ。目的地の友人の実家のある街、スンツヴァルにはアーランダから更に4時間半の長距離なので、少しでも前進するべく1時間半ほど先のイェブレまで進んで一泊する予定。

6時過ぎに空港に着いても、荷物を取ったり移動したりで、ようやくイェブレのホテルに落ち着いたのは夜の9時ごろ。これはホテルの窓から撮った写真です。一年で一番日が長い夏至の頃ですから、曇り空の夜9時過ぎでもこの明るさ。

翌日は朝早くから出発なのですが、せっかくだから早朝散歩。雨上がりの緑が瑞々しい。気温は暑くもなく寒くもなく、いい感じです。

教会の前にあった謎の石柱と白黒のカラス。この小柄なカラスは英語ではジャックドーなのですが、スウェーデンでは何だろうか。

50年代かな、と思われるデザインのベランダの柵が素敵。

このイェブレの街について出発前に調べたのですが、特に見どころなどはなさそうな平凡な地方都市です。ただ、年に1回国内外の注目を浴びるイベントがあります。それがこれ。巨大ユールボック「Gävlebocken」。

ユールボックとは山羊を藁で作った、スウェーデン独特のクリスマス飾りです。通常は家の中に飾るものなので、大きさは推して知るべし、なのですが、この街ではそれを高さ13メートル、全長7メートルの大きさで作り、広場に飾るイベントを1966年からほぼ50年間に渡って開催しています。

それだけなら、特に注目を浴びることはないのですが、なんとこのユールボックがほぼ毎年放火されるという悲劇。今年は年を越せるかどうかが、毎年話題となっている訳です。ちなみに、去年(2016年)は設置した11月27日のうちに焼け落ちたそうで…作った人の気持ちを思うと本当に心が痛む…。

2013年の動画を見つけました。

この街に来ることは二度となさそうなので、この機会に現場検証。設置される広場は動画や画像から想像していたよりもずっと小さく、こんな建物が接近した場所で大きな火が上ったら危いではないですか。面白半分で放火なんて、非常識にも程があると静かに怒りを噛みしめていました。

静かに…だって、人っ子一人、車の往来一つないんですよ!いくら早朝とはいえ、いなさすぎ。それもそのはず、この日は6月24日。スウェーデンではクリスマスに次ぐ大切なお祭である夏至祭の前日の祝日。後で知ったのですが、夏至祭は当日ではなく前日が本番らしい。クリスマス本番が12月24日なのは知っていましたが、まさか夏至祭も前倒しとは!

来たときとは別の道を選んでぶらぶらとホテルに戻り、途中の目抜き通りで、山羊とおじさんの写真を撮って散歩は終了しました(自転車の人とすれ違って、世界が終了したわけでないんだと確認)。

ホテルに戻ると朝食の時間。食堂のテーブルに用意されたセットに目が留まりました。

有り難いことに英語でも解説が。『モーニングサンドイッチ、クネッケブロード(硬焼きパン)にカッテージチーズとアボカドとクレス(カイワレみたいなもの)を乗せてオリーブオイルとコショウをかける』早速やってみました。

これは美味しい。実はクネッケブロードは苦手だったのですが、具によってこんなに美味しくなるんですね。日本でも簡単に真似出来るので、いつかやってみよう。まずはクネッケブロードを手に入れるところから。

朝食をとるとすぐにイェブレを出発。3時間ちょっとほど後にようやく第一目的地、スウェーデン北部のスンツヴァルの友人実家にお昼前に到着しました。典型的な赤い木造家屋に、祝日なのでスウェーデン国旗が掲げられています(平日は細長い吹き流しと決めれているそうです)。

ありゃりゃ、雨が降っていて寒いわ。

ミタ


↓Fukuyaのお店へはここをクリック↓

買い付け&休暇の始まり


7月7日の七夕の日に夏の買い付けから帰国して3週間ほどが経ちました。現地で会ったデンマークの友人もホリデーが終わったようです。北欧の夏休みは7月。8月は秋が始まり、長い休暇から仕事に戻ってくる月です。

今回の買い付けはスウェーデンとデンマークの2週間でした。2週間のうち、買い付けは1週間で、残りの1週間は休暇にあてました。初めての北欧の夏です。

休暇の訪問先は主に友人宅でした。この機会に行けるところは行ってしまおうと行程を組むと、スウェーデン北部の街『スンツヴァル』から、デンマーク南部の島『ランゲラン島』まで、直線距離にして約1600キロの旅となりました。

行程を地図に落とし込んだものです。

いつもの買い付けとは違うワクワクを胸に夏至の直前6月23日にいよいよ出発しました。

続く

ミタ

グズグズしていると次の買い付けが始まりそうなので焦ってきました。ちょこっとずつでも書き続けますね。


↓Fukuyaのお店へはここをクリック↓