ブリティッシュベイクオフに影響されてイースターのチョコレートケーキを作る

タイトルそのままなのですが、イギリスのお菓子作りバトル「ブリティッシュベイクオフ」で審査員のメアリー・ベリーが作るチョコレートケーキが美味しそうで、食べたいけれど面倒だなあと思っていたものの、イースターが近いことを思い出し、重い腰をあげて作りました。

欧米では移動祝日のイースター(復活祭)。今年は4月1日です。ちなみに去年(2017年)は4月16日、来年(2019年)は4月21日。会社や商店、施設などはイースターを挟んだ4日間、あるいは5日間がお休み。イメージとしては日本のゴールデンウィークかな。毎年春の買い付けでは、このイースター休暇をいかに避けるかがスケジュールの肝になっています。

ところで、誰が決めた訳ではないのに、なぜかイースターといえばチョコレートのお菓子が多い。その理由は去年イースターのチョコレートケーキを焼いた時にも少し触れましたが、19世紀に卵型のチョコレートを贈る習慣が生まれたのが関係しているんじゃないかと思っています。その習慣が広がって、それからなんとなく「イースターといえばチョコレートなんじゃない?」とチョコレートケーキを作るようになったのではないかしら。

ちなみにイースターはキリストの復活を祝ったもの。「復活→生命の誕生→卵→ヒヨコ」と連想されて、イースターの飾りには卵やヒヨコが使われるようになりました。そこから更に「ヒヨコ→黄色→黄色の水仙」となったのですから『風が吹けば桶屋が儲かる』ではないですが「復活祭といえば水仙の花」と間を飛ばしたら何が何やら分からない。

それは兎も角、イースターのケーキはしばしば卵や兎や羊といったイースターの象徴で飾られます。それがないと普通のケーキと区別がつかないので、ある意味必須アイテム。そこで、今回は定番のひとつ、卵と巣を飾りつけ。卵は市販のチョコレートを使い、巣は売っていないので自分で作りました。

巣の建材については頭を絞っているうちに、以前テレビでスパゲティを水にくぐらせて電子レンジで加熱し、塩や粉チーズをまぶしたおつまみが紹介されていたのを思い出し「これだ!」と。その瞬間、頭の上にはきっと電球が輝いていたことでしょう。
ノンオイル♪レンジでカリポリ*おつまみパスタ

上記リンク先のように、調理したスパゲッティを小さく折って、溶かしたチョコレートをまぶし、カップケーキ用の紙を入れたカップの中で形を整え、冷蔵庫で固めて出来上がり。人生において食べられる鳥の巣を作る機会がどれほどあるのか分かりませんが、困ったときは思い出して下さい。

話は戻って「ブリティッシュベイクオフ」でやっていたチョコレートケーキのレシピは下記リンク先。
Chocolate creation showstopper
でも、私は同じメアリー・ベリーさんの、ほとんど同じだけど、もうちょっと簡単な下記リンク先のレシピを使いました。
Celebration chocolate cake
更にこのレシピを半分量にして、直径15cmと、直径13cmの型で作り、ケーキプレートに乗るくらいのちっちゃなタワーケーキにしました。

※レシピの「self-raising flour」は日本に無いので、代用として「小麦粉150g+ベーキングパウダー小さじ2」を混ぜて作り、必要量を使います。

さて、最初に書いた通り、イースターの日にちで買い付けの日程が左右されます。イースター前でも良かったのですが、今年は取引先の一人が3月にお子さんが生まれる予定でしたので、その後にしようと計画しました(3月21日に男の子が誕生♪)。そんなわけでイースター明けの、4月3日から買い付けに決定!買い付けのスケジュールについてはまた後日!

ミタ

ところで、今日の3月25日はキリスト教では聖告の日(マリアが受胎告知を受けた日)です。


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アイルランドとイギリスの料理を作った話

一昨日の土曜日に、家人のイギリス&アイルランド留学でつながった日本人の友達が遊びに来てくれました。そこで、近所のソーセージ屋さんでイギリスの生ソーセージを入手して、ピクニックの定番「sausage plait(ソーセージパイ)」を作りました。たまたま冷蔵庫にプルーンが残っていたので、北欧の料理を応用して中に入れたら美味しかったです。

切り分ける前はこんな感じ。器に入っているのは付け合わせのアップルソース。

スコーンは外せないかな、と思って食事の前のオヤツとして作りました。

家人が作ったマッシュルームのサラダ。アイルランドのスーパーではマッシュ―ルームが入った箱が積まれていて、ビニール袋に必要なだけ入れてレジで量り売りでした。安かったし、よく料理に使ったものです。

それから、Beef & Guinness stew(ギネスシチュー)とマッシュポテトをメインにして。食後のデザートとしてキャロットケーキ。以前リッラ・カッテンさんに教わったものをベースに、スパイスをイギリス風のミックススパイスにしました。

当然、話はアイルランドの思い出が中心に。不味くてビックリしたアイルランドの食べ物のエピソードを披露しあっては笑ったり、アイルランド人って適当だけどいい人が多かったよねえとしみじみしたり。いつかまた、と思いつつ、最後にアイルランドに行ってから15年ほど経ってしまいました。最近の話を聞くとアイルランドも随分とモダンに変わったそう。それでも人々は相変わらず親切でいい加減なんでしょうか。

ミタ

パーティーではイギリスの器を使ったのですが、写真はArabia Sotka ディナープレートを使って改めて撮り直しました。


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東山魁夷展と北欧紀行

もう3週間ほど前の事なのですが、東京富士美術館で開催中の「東山魁夷」展へ行って来ました。現在改築工事のため休館している長野県信濃美術館東山魁夷館が所蔵する作品を中心に展示されています。

日本画の巨匠、東山魁夷は青い森の中に白馬を描いた「白い馬の見える風景シリーズ」が広く知られていますが、私としては彼が描いた北欧の風景を鑑賞するのが目的でした。東山魁夷は1962年の4月から7月まで北欧4カ国を巡る旅をし、多くのスケッチと作品を残しています(1963年に展覧会にて25点展示)。

期待していたほど北欧の作品は多くは無かったのですが、今もほとんど変わらないであろう、北欧の自然や街角を描いた作品をじっくりと堪能しました。

東山魁夷は、この北欧の旅を1964年にリトグラフに紀行文を添えた画文集にし『古き町にて―北欧紀行』として限定100部をだしています。その画文集は2010年に復刻普及版として簡易版が出版されました。残念ながら既に絶版ですが、驚いたことに地元の小さな図書館にあったので借りてきました。

まずページをめくるとうっとりするような趣のある北欧の地図の作品が迎えてくれました。

紀行文はデンマークの首都コペンハーゲンの街を、フワフワ空を飛びながら解説する空想の世界から始まります。そして、デンマーク紀行、スウェーデン紀行、ノルウェー紀行、フィンランド紀行と続き、最後はまたデンマークへ戻り、再びデンマーク人のカップルが子供から老人へと年を重ねる空想物語で終わります。

魁夷の物を洞察する視線は鋭く、また目に浮かぶような光景の描写は、一流の画家ならでは。短いセンテンスを繋げる魁夷の文章は独特のリズムがあり、簡潔で読みやすいのに、情景を見事に描写していて、こういう文章を書く人になりたいと思わせるものでした。

デンマークについては

デンマーク人はいったいに、北方の人にしては少し陽気である。

「デンマーク人の人は本当の幸福を知っているのかも知れない。元来、幸福ということは消極的な喜びだけを意味するのだろうからね。」

と、まるでここ数年耳にするような事を書いているのには驚かされました。

スウェーデンについては

ストックホルムの街は(中略)何かしら冷厳なものを感じさせる。コペンハーゲンのような人間の体温の感触はない。(中略)人間の中にある闇を、理性の力で払いのけようとする緊張を示すとも云える。

とあり、ああ、何だか分かるなあ、その雰囲気。その後、彼はスウェーデンのダーラナなど地方都市を巡って自然のすばらしさを語っています。

ノルウェーはオスロからフィヨルドを観光し美しさを讃え、フィンランドでは素朴で親切な国民性に感激したエピソードを書いています。フィンランドで面白かったのは、たまたま話しかけた人が新聞記者で取材を申し込まれ、断っても「記事を取らないと叱られる」と強引にインタビューを受ける羽目になり、他にニュースの無い平和な国の有様に羨ましさを覚える話(魁夷は若い頃に留学していたのでドイツ語、英語が出来ました)。

実は私事なのですが、以前フィンランドの買い付けの際にスーパーマーケットにメモ帳を忘れ、半年後に同じスーパーマーケットに行ったら「これはあなたの忘れ物じゃない?」と店員さんに返されたことがあります。その話をフィンランド人の知人にしたところ「私は地元紙に寄稿もしているのだけど、その話を取材させて」とインタビューを受けたことが。スケールは小さいですが、魁夷と同じ体験をしたので「こんな話が記事になるなんて」という彼の戸惑いが何となくわかる。

さて、魁夷は最後の方にこの様な感想を書いています。

私は幼稚園でも入学試験のある残酷な国を想い出した。なぜ、そんなにしなくちゃあいけないのだろうか?この国の子供が本当に子供らしく可愛らしさを持っているわけがわかった。教育は、学問をつめこむということではなく、社会との関連に於ける個人の在り方を知らすということ、いわば、社会人としての節度を無理なく身に着けることにかかっているようだ。

魁夷がこの文章を書いてから半世紀以上の年月が経っています。果たして私たち日本人はこの時から少しは変わっているのでしょうか。

さて、本の最後には収録された魁夷の絵と、実際の場所を照合できる地図がありました。

読み終わって魁夷の足跡を辿ってみたい思いに駆られました。まずはデンマークの古都リーベに行ってみたいなあ。

文章だけでなく、当然ながら絵の全てが見飽きない程に素晴らしい。絶版なのですが欲しくなりAmazonを見ると古本の扱いがありました。価値が付いて7700円…!悩む。

「東山魁夷」展は下記日程で東京富士美術館にて開催されています。もうすぐ終わってしますので、興味のある方はお早めに!
期間:2018年1月2日(火)~3月4日(日)
住所:東京都八王子市谷野町492-1
http://www.fujibi.or.jp/

なお、同美術館では夏に「長くつしたのピッピ展」開催とか。そちらも楽しみです。

ミタ

魁夷が北欧に行った5年ほど後の1960年代終わりに、母方の叔母が大学の卒業旅行でヨーロッパを巡り、デンマークにも行っています。先日たまたまそんな話になり、聞くと当時はツアー代金が60万円だったとか。その時に叔母が買って帰ったカイ・ボイスンの衛兵人形をもらって、子供時代に本当によく遊んだのですが、ある日飼い犬が噛んでボロボロにしたので捨ててしまいました。

実は当時はデンマークという国も知らず、衛兵イコール英国と思っていたので、てっきりロンドンに駐在していた父方の叔父のお土産と思い込んでいました。

それがカイ・ボイスンと知ったのは、随分大人になってから、今は無き六本木のデンマークカフェ「デイジー」に飾ってあったのを見た時。お店の人に尋ねて初めて勘違いに気が付いた、というわけです。


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北欧料理と編み物で夜は更けて Part2

季節外れなのですが、12月のスウェーデンのお菓子「ルッセカット」を焼きました。スウェーデン人から見たら、2月に餅を食べているような、3月に節分の太巻きを食べているような感じに見えるかも。先取りはなんとも思わないのに、遅れていると妙な気持ちになるから不思議。

それはともかく、生地の半分はセムラに使われるアーモンドペーストとチョコを巻き込んでサフランロールにして2種類作りました。

沢山のお菓子を焼いたのは、編み物作家「しずく堂」さんの呼びかけで開催した『編み物会という名のおしゃべり会』のためです。

私は作りかけだった『すてきにハンドメイド』掲載のカゴを、他の人たちは『北欧テイストの部屋づくり』掲載のオーナメントを編みました。どちらもしずく堂さんのデザインです。

しずく堂さん(中央)の指導で編む編む。

おしゃべりして、大笑いして、作品も出来上がって、楽しい1日でした。

ちなみにタイトルが「Part2」になっているのは、2年ほど前に同じような会を開催したからです。1回目の参加者だった、ノルウェー夢ネットの青木さんは、今回はインフルエンザで欠席。青木さんには四角を三角に編む芸を今回も披露して欲しかったのですが、残念でした。

今回使った、しずく堂さんの作品掲載本は下記リンク先からどうぞ。

ミタ

冒頭のイメージカットのお皿はグスタフスベリのGratulationstallrikシリーズ。お祝いの気持ちを伝えるイヤープレートです。


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『フィンランド・デザイン展』東京会場スタート!

2017年1月の福岡会場を皮切りに、12月の宮城会場まで約1年間全国を巡回する『フィンランド・デザイン展』がいよいよフクヤのある東京にやってきました。会場は府中市美術館、会期は9月9日から10月22日。

初日の昨日開催された開会式に招待を頂き、行って来ました。会は閉館後の午後5時半より開催されました。

挨拶をされるユッカ・シウコサーリ駐日フィンランド大使。フィンランドには戦後大変に貧しく苦しい時代があり今に至ったこと、フィンランドのデザインは海外の影響を受けながらも身近な自然から着想を得ている事などを話されました。

間に歓談の時間を挟み、府中市美術館の藪野健館長が挨拶されました。洋画家である藪野氏ならではの視点から今回の展示で感銘を受けた点をお話されました。

開会式の後は、内覧会の時間が用意されていました。なお展示の撮影は禁止ですが、取材のため許可を得て撮影しています。

今年はフィンランド独立100周年記念として企画された、100年の歩みを振り返る展示となっています。まずは「第1章」として独立以前の19世紀の家具や器などから。

第2章はフィンランドデザインの礎を築いたデザイナーたちの作品。カイ・フランクの器やマイヤ・イソラのテキスタイル。

アルヴァ・アアルトの曲木の椅子。

第3章はフィンランドデザインを完成させたデザイナーたちの作品が並びます(完成というだけあり、つい最近まで作られていたり、今も作られている物も!)。


第4章はフィンランドの異才たち。ムーミンの作者トーベ・ヤンソンの素晴らしいムーミンの本のためのドローイングや、貴重な50年代のムーミンの製品が並び見入ってしまいます。

ヴォッコ・ヌルメスニエミの大胆なテキスタイルを使ったドレス。

エーリック・ブルーンのポスター原画。ペンのタッチの素晴らしい事。そして、半世紀以上前のことですから、文字ももちろん手描きです。学生時代にやりましたが、面相筆で輪郭を描いて、内側は平筆で塗るんですよね。懐かしい。

第4章のエーロ・アールニオのポップな椅子たちの壁面に飾られているのは、第5章の企業とデザインを飛躍させたデザイナーとして取り上げられている、石本藤雄の華やかな花の陶板作品です。

第5章には、東京会場の「顔」となっている、オイヴァ・トイッカのフクロウも。

最後の第6章はフィンランドデザインの今について。アラビアのヘイニ・リータフフタの繊細な作品。

これは可愛かった。ハッリ・コスキネンがカニ(兎)とオウル(フクロウ)のパターンを和紙と漆で作ったポーチにデザインした製品。

その他にも、カイ・フランクの意外な側面を見る可愛らしいテキスタイルパターンや、ムーミンマグの原画といった、普段はなかなか見ることのできない展示がされています。ムーミンマグの原画は、完成までに試行錯誤したプロセスが時系列で並べてあるのが面白い!

2012年の「フィンランドの暮らしとデザイン展」よりも、デザイナーにグッとスポットを強く当てているので、デザインが好きな方にはワクワクと、どの作品も一つも見逃せない展示となっています。ここにご紹介した以外にも是非見て欲しい作品が並んでいますし、また写真では絶対に伝わらない細部の美しさ、面白さがあるので絶対に実物を見て欲しいです。東京は少し不便な場所にありますが、行く価値ありですよ。


フィンランド独立100周年記念 フィンランド・デザイン展
府中市美術館
〒183-0001 東京都府中市浅間町1-3
(ハローダイヤル 03-5777-8600)

会期:2017年9月9日(土)~10月22日(日)
※10月8日(日)は開館記念無料観覧日。
休館日:月曜日 (9月18日、10月9日をのぞく)、9月19日、10月10日
開館時間:午前10時~午後5時(入場は午後4時30分まで)
観覧料:一般900円

詳しくは下記リンク先の公式サイトをご覧ください。
●フィンランド・デザイン展


最後の会場は、10月28日から12月24日まで宮城県美術館です。東北旅行ついでにいかがでしょうか?

ミタ


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