掲載誌『北欧テイストで楽しむ 100人の家づくり』のお知らせ

掲載誌のご案内です。正確には再掲載誌。

本日(2019年1月31日)発売の『北欧テイストで楽しむ 100人の家づくり』です。

掲載されているのは、インテリア…ではなく、北欧のレシピです。2016年3月発売の『北欧テイストの部屋づくり Vol.17』 でご紹介されたレシピが再掲載されました。

サーモンパイ包み焼きと、ミートボール&ビーツサラダ
ロイヤルメレンゲとシルヴィアカーカ

この時、何度も試作してはレシピを調整して、食器とテーブルクロス、花や小物などのスタイリングもやり、朝から母の手も借りて調理した思い出深い仕事だったので、再びスポットが当たって嬉しいです。

レシピは普段使わないようなもの(サワークリームなど)は使い切り出来るようにしたり、地元のスーパーで手に入る材料にしたりと、気軽に作って頂けるように工夫しました。

もちろん、100人のインテリアは圧巻です。我が家は10数年前に夫の実家をリフォームしたものなのですが、そろそろ色々と手を加える時期なので、参考になりました。

クリックでAmazonのサイト

書店で見かけたら是非手に取ってみてくださいね。

また、初掲載の 『北欧テイストの部屋づくり Vol.17』 には再掲載の時に入らなかったデンマークのレシピもあります。まだAmazonに在庫がありましたので、レシピが知りたい方はこちらもどうぞ。

プルーンとリンゴのスタッフドポーク

ミタ

この仕事がきっかけとなって、レシピ本を作りました。宜しければこちらもご覧ください(電子書籍です)。

380円

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マルッカ時代の製品

秋の買い付けでアラビアのUhtua(ウートゥア/ ウフトゥア )箱付きデッドストックのコーヒーカップを買い付けました(Sモデルのコーヒーカップには2サイズあり、こちらは小さい方)。後ろにぼんやり写っているのがオリジナルの箱です。

箱のラベルには小さく「MADE IN FINLAND」とあります。ウートゥアの生産期間は1982年から99年。今やアラビアの全ての製品はタイなどの海外生産ですが、この当時はまだフィンランド国内で作っていました。

ソーサーの裏側にある「MK 72.90」とは、72.9マルッカの意味。マルッカとはユーロになる前のフィンランド固有の通貨単位です。フィンランドのユーロ導入は1999年から。2002年には完全に切り替わりました。

ウートゥアは1999年まで作られていたので、マルッカ時代最後の製品のひとつです。6マルッカ=1ユーロだったのですが、フィンランドの人に当時の話を聞くと、通貨切り替えの便乗値上げもあったそう。

ところで、プライスタグの赤文字「ANTTILA」は1952年創業の小売店。百貨店など店舗だけでなく、通販(当時はカタログかな)にも力を入れていて、幅広く全国展開していたものの、2016年に倒産しました。そういえばANTTILAのロゴは見覚えがあります。そうか、倒産したのかー。

こちらのカップ&ソーサー箱付きセットは2月の最初の木曜日にアップできればいいなあと準備中です。

ミタ

以前住んでいたアイルランドにも通販専門店Argosというのがありまして、店頭でカタログを見てオーダーしたものを、再び店舗に取りに行くシステムでした(2003年当時)。 配達もあったのかどうか知りませんが、いずれにしろ配達が信用できないので取りに行く方が安心でした。今はネットでオーダーできるんだろうなあ。フィンランドのAnttilaはどういうシステムだったのかな。


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あるデザイナーのビックリの晩年

スウェーデンの陶磁器メーカーDeco(デコ)の保存容器が、ほぼ8年半ぶりに再入荷しました(前回のアップは2010年6月でした)。Decoは1955年にヘルシンボリに創業。当店でも人気のあるRosa Ljungのヒット作も生みましたが、1980年代にはHöganäs(ホガナス/へガナス)の下請けもしていました。ところがホガナスがタイに工場を移したことがきっかけで2008年に倒産しました。

器に話を戻すと、右の赤い蓋が「Sill(ニシン)」の酢漬け用、左の青緑の蓋が「Gurka(キュウリ)」酢漬け用。どちらもスウェーデンの食卓には欠かせない食べ物で、日常はもちろん、クリスマスや夏至祭などのご馳走のテーブルにも並びます。

裏側には窓の絵が描かれていて、実はこれは家の形なのだと分かります。蓋に密封性はなく、恐らく保存用ではないでしょう。保存用ではないとしたら何か、というと、主に飾り用。そして、来客の際に中身を移して食卓に出すもの。友人宅でご馳走になって、こんな器にニシンやキュウリの酢漬けが盛られて出て来たら「かわいい!」と思わず声が出てしまうでしょうね。

2010年に自分で書いた商品説明を読み返すと『E.Jarupとサインがありますが、このデザイナーについて詳しくは分かりませんでした』とありました(忘れてた)。けれども、ヴィンテージは日々新しい情報が更新されていくので、過去に分からなくても新たに調べると判明するのはよくある事。というわけで、調べ直すと、スウェーデンのデザイン系Q&Aサイトで、デザイナー名はEdvin Jarupと判明。女性デザイナーと思っていましたが、男性でした。しかも、そのQ&Aでは、1950年代ですか?の質問に1974年から製造開始されたと答えています。

別のスウェーデンのメーカーJieで1950年代に、Anita Nylundが作った保存容器の作風に似ていたので、私も50年代かなと見当をつけていたため70年代とは意外。

Edvin JarupのDeco所属期間が分かれば裏が取れるかもと更にネットで検索すると、Helsingborgs Dagblad(ヘルシンボリ新聞)の2016年の記事で、アーティストのEdvin Jarup が、95歳を目前に亡くなったとの報道が見つかりました。

ただ、その記事は会員限定で、ヘッドラインしか読めない。会員になるにはスウェーデンの国民番号か何かが必要なようだったので、続きを読むのは断念。そこで、別の記事が無いかと更に検索。そうすると思いがけないニュースが!

Edvin, 92: “Märta har gjort mig så glad”
(Edvin 92歳「Märtaは僕を幸せにしてくれた」)

日本で言う「夕刊フジ」的な(夕刊フジを読んだことがないので勝手なイメージ)のスウェーデンの夕刊「Expressen」の2014年の記事です。

記事によると、結婚70年後に妻を失ったEdvin Jarup (92歳)は老人ホームに引っ越し、隣の部屋のMärta Abramson (94歳)と恋に落ち、婚約したとか!

記事にはEdvinの経歴、例えばデザイナーだったとか、は一切書いていなかったのですが、名前だけでなく年齢もピッタリ。どう考えても同一人物です。

ヴィンテージに関わる仕事をしていると、取り扱っている商品のデザイナーが亡くなったニュースを聞く事がしばしばあり、もしかしたら(もちろん無いのは分かっていますが可能性として)お会いできたかもしれないのにと残念な気持ちにとらわれることがあります。

今回も、最初のヘルシンボリ新聞の記事を見たときは「またか…」と悲しくなりましたが、 Expressenの婚約ニュースを読んで、パッと明るい気持ちに。記事には優しく Märtaの腕に手を乗せるEdvinの写真がありました。

また2016年の訃報にはひ孫さんを膝に乗せて微笑んでいる写真が投稿されていました( スウェーデンは一般人の訃報がウェブ公開されるのはよくある事でお悔やみも投稿できます)。

こんな可愛らしいデザインをする人ですから、きっとご本人も可愛らしくて、最期まで家族や知人に愛された人だったのかもなあと想像しています。

ミタ

ところで結婚70年で奥さまを失ったというのは、考えてみれば奥さまもかなりのご長寿ですね。


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商品協力:映画『雪の華』

2019年2月1日より全国公開の大型恋愛映画『雪の華』の試写会へ行って来ました。

試写会でいただいたパンフレット

余命を宣告された美雪の夢は、<約束の地>フィンランドでオーロラを見ること。
そんなある日、ひったくりにあった美雪は、ガラス工芸家を目指す青年・悠輔に助けられる。
半年後に偶然再会した悠輔が、男手ひとつで兄弟を育てていること、そして彼の働く店が危機に陥っていると知った美雪は、「私が出します、100万円。その代わり1 ヶ月、私の恋人になってください」と、期間限定の恋を持ちかける。

当店は主役である美雪(中条あゆみ)と悠輔(登坂広臣)が再会する雑貨店のための商品協力をしています(劇中で中条あゆみさんが商品を手に取って「かわいい~」と言っていますよ)。

去年の2月に、その雑貨店のロケ場所として撮影スタッフがご来店されました。結局ロケは別の場所になりましたが、商品を貸し出すことになった訳です。お話が来た時に企画書を受け取り、ストーリーを読んで、突拍子もない設定だなあと思っていましたが、 実際に観ると美雪が” 不思議ちゃん “で、その突拍子もなさがちっとも不自然ではなく、それどころか次第に感情移入してしまいました。

幼いころから体が弱く、大して未来への希望も野心もなく(けれども独立心はある)女性が、恋をすることで変わっていくという話でした。誰でも多かれ少なかれ、行動する前から諦めていることがあると思います。そんな自分に気が付き、ちょっと勇気づけてくれるかも知れません。

さて、仕事柄どうしても気になるのが小物やインテリアのデザイン。フィンランド、というとお約束のように出てくる、イッタラ、アラビア、マリメッコは出てきません。代わりに全編を彩るのは、手彫りの家具、壁にかかるルイユ(そもそもは防寒のために作られたウールの織物)、手刺繍のテーブルクロス。暗い赤、青、緑と濃い木の色の織りなす、クラシックな色彩。

連想したのは19世紀末から20世紀初頭に活躍したフィンランドの芸術家アクセリ・ガレン=カレラ (1865−1931) の世界。 それらの暗い色彩に窓から差し込んだ光が作り出す陰陽が温かみがあり素敵でした。

特に二人がヘルシンキで宿泊したホテルが素敵で、気になって調べると1903年に建てられたアールヌーボー様式の城を利用したホテル、”GLO HOTEL Art”でした。なるほど。

もちろん、夏の光り輝く色彩豊かなフィンランド、冬の真っ白な雪で覆われたモノトーンのフィンランドの美しい光景も見所。上映館などの詳細は下記の公式サイトからご覧ください。

映画『雪の華』オフィシャルサイト
公開日:2019年2月1日(金) 全国ロードショー
出演:登坂広臣、中条あやみ、高岡早紀、浜野謙太、田辺誠一
主題歌:中島美嘉「雪の華」
監督:橋本光二郎
脚本:岡田惠和
配給:ワーナー・ブラザース映画©2019 映画「雪の華」製作委員会

ミタ

ちなみに、冒頭の写真のパンフレットに添えているの食器はアラビアの「Lumikukka(ルミクッカ)」です。ルミクッカとは、フィンランド語で「雪の花」の意味です。


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優しい草色のティーカップ

写真は明日新着でアップ予定のティーカップです。草色を使って、柔らかなタッチで花なのか、葉なのか、植物を描いています。

ソーサーの縁近くとカップの内側には双葉のような連続模様。

連続模様は均一で乱れがなく、また顔料の濃淡を筆で付けながら描いた大きな模様のからも熟練の絵付師によるものと思われます。

バックスタンプを見ると、大文字で「ARABIA AA」と書かれていて、通常使われているロゴではありません。それから、AAに相当するイニシャルのデザイナーが見つかりませんでした。

ちなみにカップはGreta-Lisa Jäderholm-Snellman(グレタ=リーサ・ヤンデルホルム=スネルマン)による、1934年のMLモデルです。カップのデザインは1934年ですが、この型は何十年も作られていたので、デコレーションが同じ時代とは言えません。

デコレーションはOlga Osol(オルガ・オソル)の1940年代ごろの作品に雰囲気が似ています。実際、オルガ・オソルは、グレタ=リーサ・ヤンデルホルム=スネルマンのフォルムにいくつものデコレーションをしています。けれども、オルガ・オソルで見当をつけてみても、相当する作品が見つかりませんでした。

個人的な印象なのですが、これは、絵付師が趣味の範囲で楽しんで作ったもののような気がします。というのも、フィンランドのデザインミュージアムで、絵付師が自分用に作ることもあったという話を聞いたことがあるからです。

とはいえ、本当のところは分からないので、もし誰かご存じでしたら教えてください。とりあえず、明日のアップをお楽しみに。

ミタ


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