フルーツソーサーって何だろう

秋のフィンランド買い付けでアラビア製の小さな浅いボウルを見つけました。ロゴから60年代の製品。手彩色に味わいがあるし、ちょっとしたものを盛るのに便利そうと、有るだけ買い付けました。
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帰宅して資料を当たると、Olga Osol(オルガ・オソル)デザインのBotnia(ボトニア)シリーズ。型名には「FRUITS SAUCER」とあります(8番)。
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ん?

フルーツソーサーってなんだすか?

色々当たって調べると、洋食器についての資料が出てきました。以下、私の拙訳&抜粋です。それでも少し長いですが、最後まで読むとなかなか面白いですよ。


フルーツソーサー
中世及びルネッサンス時代、肉類は新鮮とは言えなかった。味を誤魔化するため、香りを加えるため、消化を助けるためにソースが使われた。ソースの語源はラテン語の”salire(塩をする)”であるが、単に塩をするだけでなく、ワインや数種類のスパイスを混ぜた液体のソースも用いられた。召使たちはソースを”ソーサー”に入れて食卓に運んだ。ソーサーとは直径6インチ(約15cm)程の小さく浅いお皿で、肉の次に木皿に乗せ供された。

16世紀から17世紀にはソーサーは、浅い直径5から8インチ(約12から20cm)の円、あるいは楕円で、時には両側に持ち手が付いた。1728年刊行の辞書Universal Etymalogical Dictionaryには、ソースを入れるための小さな食器、と説明されている。ジョージ1世(1714-1727)とジョージ2世(1727-1760)時代にはピクルスを供するのに使われた。

今日、その小さく浅い器は、フルーツディッシュ、フルーツソーサー、サイドディッシュ、ベリーボウルなどと呼ばれている。形状は直径4から6インチ(約10から15cm)、深さ1インチ(約2.5cm)程度、およそ6オンス(約175cc)のソースが入る。料理ごとに皿が交換される正餐では使われることは無く、略式の場のみで使われている。


つまり「ソーサー」と聞くとカップの受け皿を思い浮かべてしまいますが、そもそもは「ソース」を入れるものだったのですね。

また、アンティークについて書かれた他の資料を当たると、ソース用の浅い食器が「フルーツソーサー」と呼ばれるようになったのは1970年代頃からとありました。

ここから先は私の推測ですが、古くはソースを入れるために使われていた小さく浅いボウルは時代とともにソースではなく他の目的(ピクルスやフルーツなど)に使われるようになり、今やソースにはほとんど使われないにも関わらず「ソーサー」の名称はそのまま残った、という事かな?

最初に出したアラビアの資料は1967年刊行の複製です。フルーツソーサーの名称が1970年ごろから、となると時代的にも合いますね。サイズは直径12.5cm、高さ2.5cmと、当たり前ですが、面白いくらいピッタリ。

さて、こちらの「フルーツソーサー」は来年最初のアップに登場します。フルーツ、サラダ、ピクルス、もちろんソースにもどうぞ。

ミタ

個人的には猫の器にもピッタリサイズ。


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家人、突然ブッシュドノエルを作る

家人がフランスのクリスマス菓子、ブッシュドノエルを作りました。何年も前にケーキを作って、もう二度とやらない、と言っていたのに。
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きっかけは、12月の初めくらいだったか、地元にあるお菓子材料専門店の買い物に家人に付き合ってもらっていると、退屈そうにしていた彼が一枚のレシピカードを持って現れ「今年のクリスマスはブッシュドノエルを作る」と言います。

まあ、その話はそのままうやむやになってクリスマスが過ぎ去ったのですが、いつの間にか生クリームも買っていて、準備万端。レシピを見ながら最初に作った生地は卵の泡立てが十分でなく、膨らまなかったので、急遽クッキーカッターで抜いて飾りに。新たにもう1枚焼きました。
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お皿にイチゴを飾り付ける家人。手の大きさとくらべて頂けると分かると思いますが、15㎝程の小さな、小さなブッシュドノエルです。
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完成。猫が乗ってるのがポイント。
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初めてにしては悪くないですよね?

ミタ

そうそう、ココアパウダーはフィンランドで買ったファッツェルのもの、生クリームにはサンブーカ(リキュール)が入っているのがポイントだそうです。
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金色がポイント

この美しいプレートはスウェーデンのグスタフスベリで1970年代に作られたJasminシリーズです。色は3色あり、この黄色と、ピンクと緑。
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こちらはピンク色の方です。随分と前に緑が入荷しましたが、いまお店にあるのは、この2色だけ。カップもありますが、今はプレートのみが入荷しています。
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フォルムデザインは、日本でも大人気のリサ・ラーソン(Lisa Larson)です。デコレートデザインはマルガレータ・ヘンニックス(Margareta Hennix)。

ラーソンは自分がデザインしたフォルムをヘンニックスに見せ「何かデコレーション出来ないかしら」と尋ねたそうです。ちなみにラーソンは1931年生まれ、ヘンニックスは1941年生まれですから、丁度10歳違い。

ジャスミンの花の中に描かれた雄しべの金色がデザインに華やかさと特徴を加えています。実はこの金のデコレーションには技術の革新があり、他の色と同じ温度による焼成に成功した最初の作品だそうです。

つまり、それまでは金だけ別に焼き付けていたのかな。なるほど、そう言われれば60年代までの製品は、金がずれていたり、質感が馴染まず浮いた感じがするものもあります。一度に焼けると、デザインの自然さだけでなく、コストダウンにもなったはず。
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とはいえ、私はむしろ、恐らく当時のデザイナーや技術者を悩ませたずれやデコレートの不自由さを、ビンテージの味わいとして楽しんでいます。

ところで、このケーキは巷で話題の(?)マジックケーキ。生地の混ぜ方を工夫することで焼き上がりがスポンジ、カスタード、プリンの3層になる、技術的に画期的なケーキです。初めて焼きましたが、2層になりました。技術的に失敗したようです。そして残念ながら、味わいにもなっていません。

ミタ


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ちょっとの工夫で美味しくなる

クリスマスディナーではイギリス人に教わったほうれん草のポタージュも作りました。
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レシピは特別変わったところはないのですが、レモンの皮のすりおろしを加えるのがポイント。これが何とも不思議な味わいをプラスして、とても美味しい。ほうれん草のスープを作る時は是非お試しください。

器はアラビアのカトリーリ(Arabia Katrilli)。縁に描かれた蓮の花が一つ一つ僅かに異なるのが、単調なデザインに変化をもたらしています。
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ほんの少しの工夫で面白みが加わり、美味しくなるのは、料理もデザインも同じですね。

ミタ


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クリスマスディナー

今日はクリスマス当日。北欧では多くの国よりも1日早い、クリスマスイブの24日がクリスマスディナーの日です。それにならったわけではないのですが、我が家でも昨日クリスマスディナーを作りました。

今日は、その残りのローストチキンで昼食。
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撮影に使ったディナープレートはロールストランドのアマンダ(Rörstrand Amanda)と、アラビアのファエンツァ(Arabia Faenza)。
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グラスはヌータヤルヴィのファウナ(Nuutajärvi Fauna)のワイングラス。
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このセッティングでは、アラビア、ロールストランド、ヌータヤルヴィを合わせていますが、実際の我が家も混ぜ具合は負けていません。

昨夜の食卓はこんな感じでした。アラビア、グスタフスベリ、スタバンゲルフリント、イッタラ、リーヒマキガラスと北欧の異なるブランドと国だけでなく、イギリスやアメリカのビンテージも混ざっています。年代も30年代から70年代とバラバラ。それでも自分の趣味で選ぶと、なんとなく統一感が出ているような、そうでないような。
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それでは、皆さま、良いクリスマスをお過ごしください。

ミタ


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