北欧風味カルダモン入りカボチャスープ

今朝散歩に出たら近所のインターナショナル幼稚園でハロウィンパーティーをやっていました。日本でもハロウィンは形を変えて浸透しつつあるようで、ここ数日ニュースになっていますね。

ハロウィンにはカボチャが飾りつけに使われますが、そもそもハロウィン発祥のアイルランドでは蕪を使っていました。アメリカに移民したアイルランド人たちは蕪の代わりに手に入りやすいカボチャを使ったのが始まりとか。今ではオリジナルの蕪よりも加工しやすいカボチャの方が主流となっていますね。

ハロウィンだから、ではなく、たまたま生協の野菜セットにカボチャが入っていたので、スープにしました。せっかくなのでハロウィンにかこつけて、生クリームで蜘蛛の巣を描いてみました。
151030-1
味付けは塩と、胡椒の代わりにカルダモン。シナモンロール用にフィンランドで買ってきた粗びきカルダモンがまだまだ沢山あるのです。気温が低い北欧では、カボチャは伝統野菜ではありませんので、ちょっと強引な北欧風味。

プレートもスープに合わせてアラビアのArabia 青いカボチャのシリーズから選びました。

ところで、ハロウィンの習慣は北欧にはありませんが、商業的なところから広がっています。日本と同じですね。そして、それをあまり面白く思っていない人がいるのも、日本と同じ。

それでも、時流には逆らえずなのか、年々北欧でもハロウィン飾りを見る機会が増えました。

例えばこれはフィンランドのマーケット。
151030-3
そして、こちらはスウェーデンのマーケット。カボチャ1個12クローネですね。
151030-2

楽しみが増えるのは良い事ですが、世界中がアメリカナイズされるのは、なんとなく切ないです。

ミタ


↓Fukuyaのお店へはここをクリック↓

邂逅ムーミン(前編)

日本で北欧を代表するキャラクターと言えば、ムーミンでしょう。特に今年はムーミンの作者トーベ・ヤンソンの生誕100周年と、ムーミン出版70周年が重なり、本国フィンランドはもちろん、日本でも関連の展覧会やイベントが開催され多くのメディアに取り上げられたので、注目も高かったようです。

北欧に関わる仕事をしていますが、実は私はムーミンにはあまり詳しくはありません。トーベの描く原作の絵は好きで、関心が無い訳ではないのですが、これまで物語を読む機会もなく、とはいえ知らないもの恥ずかしいので、シリーズ第一作目の「小さなトロールと大きな洪水」を図書館で借りて読んだ程度です。

そんな私の家に今、ムーミンの絵が飾られています。この絵が我が家に届くまでは、狐につままれたようなお話しがあります。
151015-10

額に入れられたこのムーミンの絵は、1950年代に絵付用に作られた焼き付け用の転写シートです。メーカーはフィンランドの西部のヴァーサにあった「Vasa Tvalfabrik Ab」。ムーミンキャラクター製品の販売を予定し、ヘルシンキの印刷会社「Kromipaino」がこのシートを作ったものの、製品を製造する前に工場が閉鎖してしまいます。
151015-11
それから60年以上の時を経て、誰も知らなかった未使用のシールが発見されました。
151015-12

そのシートを購入しないか、と所有者のエーロさんから連絡があったのが、買い付けのため北欧滞在中の今年の4月のことでした。ムーミンに詳しくない私でも、話の内容からその希少性は理解できました。買い取り価格を提示してくれないか、と問うエーロさんに「私には正確な価値が分からないが、貴重な物であることは間違いないと思います。こんな貴重な物は海外に出さずに、フィンランド国内にとどめるべきではありませんか?」と返信しました。

実はその時に頭に浮かんでいたのは、明治時代に価値が分からずに海外に流出して行った日本の浮世絵でした。どんなものでも海外に散逸してから後悔しても取り返すのは難しい。

その後エーロさんからいくつかの美術館とコンタクトを取っているとのメールがあり、その上で「買わないか」と聞かれたので、再度「美術館が興味を持っているのは良かった。フィンランド国内で展示されるのは喜ばしいので、お話しが実現するように」と気持ちを伝えた上で、お断りの返信をしました。

そしてしばらくしてエーロさんから、ムーミン谷博物館とスオメンリンナおもちゃ博物館、更にトーヴェ・ヤンソンの姪であるソフィア・ヤンソン氏がコレクションに加えたとの連絡があり、まだ残っているから仕入れないかと再三の問い合せ。

「そういったところが所有すると伺い本当に嬉しい。私が買い取るよりもフィンランド国内で持っていて欲しい」と今までと同じようにお断りの返信をすると「それならプレゼントするので送り先住所を教えくれないか」と驚きの申し出がありました。

あまりにも思いがけない話に目を疑い、英語の読解間違いではないかと何度もメールを読み返しましたが、確かにプレゼントすると書いてあります。それが最初のメールから4ヶ月以上経った夏のこと。

真意がくみ取れないまま、日本に送ってもらわなくても、9月に渡フィンするので直接受け取れると伝えると「それは良かった。自分はヘルシンキから遠い街に住んでいるが、息子がアアルト大学の寮住まいなので彼に託すよ」と息子さんの連絡先を書いた返事があり、ああ、読み間違いではなく、本当に頂けるのだとやっと実感しました。

アアルト大学とは、2010年にヘルシンキ工科大学(1849年)、ヘルシンキ経済大学(1904年)、ヘルシンキ芸術デザイン大学(1871年)が合併してできた総合大学です。

アアルト大学前身のヘルシンキ芸術デザイン大学に留学していた、東北工業大学准教授の梅田弘樹氏にお会いした時、フィンランドのデザイナーは、デザインをするだけでなく、量産、販売、流通に至るまで通して考えるので、この三大学が合併したことはフィンランドデザインの在り方を象徴しているとの話を伺いました。

※大学の名前となったフィンランドのデザイナー、アアルトは自分の作品を製造するメーカーArtek(アルテック)を創業し、店舗で自社製品を販売した。

ちなみに、梅田氏は吉祥寺のカフェ「Moi」の食器のデザイナー。実は家人の中高校の同窓生というご縁。

閑話休題

そうして気持ち良く晴れた土曜日の早朝、広大なアアルト大学のキャンパスにムーミンの絵を受け取りに行ったのでした。
151016-1
長くなったので、続く。

ミタ


↓Fukuyaのお店へはここをクリック↓

第5回「北欧ぷちとりっぷ」そして打ち上げで全員集合

こんにちは。昨日、9月26日に開催した『北欧ぷちとりっぷ』の打ち上げに参加しました。

北欧ぷちとりっぷとは、2013年からスタートした北欧トークイベントです。北欧ライターの森さんを主催に、年2回ペースで開催し、先月の9月の会でなんと5回目を迎えました。

★過去の開催はこちらからどうぞ→北欧ぷちとりっぷ

今回もゲストトーカーとして呼んで頂きました。
151010-5
ゲストは私の他に、ノルウェー夢ネット主催の青木さんと、フィンランド雑貨「ウュクシ」オーナーの浦部さん。

会はいつも、森さんの著書発表のタイミングで開催していて、今回は新刊「北欧のおもてなし」が会場に並んだ他、本に出てくる料理もメニューに出されました。
151010-4
私たちの“北欧でのおもてなし”体験をお話しした後、北欧各国のゲストが登場。
151010-8
左から、デンマーク人のイエンスさんとエスベンさん、フィンランド人のヨウコさん、スウェーデン人のロバートさん、ノルウェー人のジャックさんです。イエンスさんは日本語は聞きとれるのですが、話すのはちょっと苦手。それ以外の4人は日本語が達者で、特に日本人ハーフのエスベンさんのノリの良さが会場を沸かせていました。

今回も100名ほどの方にご参加いただいたそうで、本当にありがとうございました。
151010-3

さて、冒頭に書いた通り、その会の打ち上げに昨日参加してきました。打ち上げ参加は15名を超え、過去の打ち上げで最高の人数。持ち寄り式で「北欧のおもてなし」に出てくる料理を始め、様々なメニューがテーブルを彩りました。
151010-16
ヤンソンの誘惑やミートボール、レバーパテといった、故郷の味に盛り上がる北欧人たち。
151010-17
誰が持って来たのか、独特の癖が外国人には食べづらい北欧のお菓子“ラクリス”を、悪人顔で喜々としながら日本人に勧めてくるフィンランド人のヨウコさん。
151010-13
日本人たちが拒否したラクリスがテーブルに置かれた途端、大喜びで手を伸ばす、デンマーク人、スウェーデン人、ノルウェー人の皆さま。
151010-14
「北欧のおもてなし」を再現したような気軽で肩ひじ張らないパーティー。お酒が入るにつれ、陽気になる北欧の人たちと、森夫妻の心遣いで、笑いが絶えない夜になりました。

ところで、パーティーに出されていた、森さんお手製のリンゴンベリーのライ麦パン。
151010-15
これが以前ロールストランド博物館カフェのリンゴンベリー入り名物パン「Drömstadslimpa」を彷彿とさせる味。Drömstadslimpaがとても美味しかったので、博物館で販売されていたミックス粉を買ってこなかった事を後悔していました。このレシピは「北欧のおもてなし」に掲載されているとか。これは嬉しい情報!早速やってみなければ。

「北欧のおもてなし」は下記リンク先からどうぞ。リンゴンベリーのライ麦パンのレシピは52ページ。レシピには無いのですが、リンゴンベリージャムを大さじ2杯ほど加えてください、との事でした。

ミタ


↓Fukuyaのお店へはここをクリック↓

フィンランド到着

9月頭の買い付けレポートを書き終えない内に10月ももう半ば…。スウェーデンでの買い付けはアレで終わりではないのですが、このままでは今年中に書き終わらない予感がするので、すっ飛ばします。書いていない部分はなんとなく行間を読んでくださいね(無理)。

さて、スウェーデンの次はフィンランドへ移動です。なにせスカンジナビアエアラインLOVE♡なので、面倒ですがスウェーデンからデンマークのカストラップ空港に移動してフィンランド行きの飛行機に乗ります。
151015-1
スカンジナビアエアライン、略してSAS。
151015-2
コペンハーゲンを飛び立って、2時間後にはもうヘルシンキ。簡単に食品の買い出しだけをして、いつもの宿に入ります。毎年春と秋に滞在している宿ですが、9月に来るのは初めて。庭の木々がモリモリと茂っていて緑が目に眩しい。以前から「森の中の家」と宿主のエリナさんが言っていましたが、訪れるのは葉が落ちている季節ばかりなので、ここまでとは思っていませんでした。

そのエリナさんは仕事に出ていて留守ですが、庭の小さな家は鍵がかかっていないので、いつも通り勝手に入って荷物を下ろし一休み。
151015-3
宿の猫スムが私の事を覚えていて歓迎してくれました。出会った最初は噛みついたり、唸ったりしたものですが、サーモンの皮を分け合った日から仲良くなりました。
151015-4
夕方、仕事から戻ったエリナさんから、まだほんのり温かい手作りのフィンランドのブルーベリーパイ、ムスティカピーラッカ(mustikkapiirakka)の差し入れ。だんだん日が短くなったとはいえ、まだまだ夜の8時ごろまで明るいフィンランドの9月です。
151015-7
冷めないうちにいただきました。「崩れちゃったけれど味は保証する」の言葉通り、酸味と甘みのバランスが良く美味しかった。エリナさんはタルト生地にもカルダモンを入れていて、初日からフィンランドのスパイスの洗礼。自分で作るムスティカピーラッカにカルダモンを使った事はないのですが、次は入れてみようかしら。

到着した時は既に夕方だったので、この日は買い付けには行かず、日の長いフィンランドの初秋が暮れるのをゆっくりと眺めながら過ごしました。

さて、翌日から大忙し。例えばこんな場所や
151015-8
こんな場所。
151015-6
そしてこんな場所にも行きました。
151015-9

全て1日の出来事ですが濃密なので、それぞれ、3回に分けて書く予定です。どうぞ、気長にお待ちください。

ミタ


↓Fukuyaのお店へはここをクリック↓

フィンランドの手工芸教室とTakkuの本

フィンランドの手芸ユニットTakku(タック)のヘイディさんによる、ピルタナウハ織りとサーミのブレスレットの講座を開催しました。

午前中はリボンを織る「ピルタナウハ」です。足に挟んだ織り機を上下させて編み込み模様のリボンを織りだしていきます。
151009-4
これはヘイディさんによる作品例。
151009-3
模様が織りあがってくるのはいつ見ても楽しそう。この日は4名の方が参加されました。ありがとうございました。
151009-2

そして、午後は北欧の北方民族サーミに伝わる錫のワイヤーを付けたトナカイ革のブレスレット作り。これもヘイディさんの作品例です。
151009-5
教室では作品例よりも簡単なパターンの作品を作りました。
151009-6
最初に錫の糸を編んでいきます。
151009-7
トナカイ革に付けて完成。時計とのコーディネートが素敵です。こちらは6名の方が参加されました。ありがとうございました。
151009-8

さて、Takkuからお知らせがあります。ピルタナウハ織りの図案集が発売になりました。
151009-1
フィンランドで撮影した美しい写真で様々なパターンを紹介しています。

中身を拝見しましたが、糸を掛ける順番はありますが詳しい図案や織り方の説明はなく、過去にTakkuの教室に参加した方向けに思えます。ヘイディさんいわく「コーヒーテーブルブック。写真を見て楽しむ本。日本語で何て言う?」「その日本語は無いねえ…」という事ですので、ピルタナウハの経験が無い方でも写真集として楽しめる内容になっています。そして、もちろんこの本がきっかけで教室に参加して下さると、ヘイディさんも喜ぶでしょう。

本の購入はTakkuに直接問い合わせ、あるいはフクヤでも取り扱っていますので、ご興味のある方は下記リンク先からご覧ください。
Pitkin Poikin Pirtanauha フィンランドのリボン織への旅

ミタ


↓Fukuyaのお店へはここをクリック↓