悲願のヘルシンキオリンピック

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おはようございます。

先週イギリスの姉のメールに、イギリスは寒くて天気が悪い、オリンピックなのに、と書いてあり、ああそうかオリンピックね、と家人に「日本の選手って決まったの?」と尋ねると、上の空で「だいたいね」と答えるので「あともう少しなのに大体しか決まっていないの!?」と驚くと、家人が慌てて「全部決まっているよ」と訂正していました。

それにしても彼の返事は可笑しく、そういえば彼の元同僚がロンドンからドバイに転勤になったときの引越し葉書に「近くにお越しの際は是非お寄りください」と手書きでメッセージが添えられていて、決まり言葉は状況が違うと時には妙に思えるものです。

オリンピックに話を戻すと、60年前の今日、1952年7月19日はヘルシンキオリンピック開幕の日でした。

第二次世界大戦で敗戦国となったフィンランドはソ連からは国民総生産の1割にも及ぶ、返済不可能と言われたほどの莫大な賠償金を課せられます。ところが1952年、フィンランドはその賠償金を予定の約半分の年月で完済。同じ年にオリンピックを開催する、奇跡の復興を成し遂げました。

ちなみに、戦争の賠償金を全額支払ったのはフィンランドのみだそう。

というわけで、1952年のフィンランド製品を手持ちの商品から探したのですが、そんな上手い話は無く、選んだのは、やや近い年に最初の生産が始まったこのアラビアのプレートとイッタラのキャンドルホルダー。
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ベリーのリースが描かれたアラビアのプレートはフィンランドの良心と謳われたデザイナー、カイ・フランクによるKilta(キルタ)シリーズにデコレーションを施したものです。上に乗せたキャンドルホルダーは同じくカイ・フランクによるKartio(カルティオ)。

オリンピックの聖火台と月桂冠をイメージしてコーディネートしたのですが、家人には「分らない」と低評価でした。

このKiltaシリーズはヘルシンキオリンピックの翌年、1953年の生産開始。Kartioは1955年に最初のモデルが出ています。KiltaはTeema(ティーマ/テーマ)と名を変えたものの、どちらも60年ほど経った現在でも継続して生産されている超ロングセラーです。

Kiltaの誕生には戦後の賠償金返済と全く無関係ではなく、それまでの農業・林業中心の経済からソ連への賠償のため工業化が図られ、農村部から都心へ多くの人が移動しました。それに伴い、新しい都市生活に適した省スペースで実用的な食器の需要が高まっていました。田舎の大きな家とは話が違いますからね。

KiltaとKartioは実用に特化したシンプルで単純さゆえに、いつまでも古くならない典型的なデザインの一つでしょう。それぞれのお品は下記リンク先からご覧ください。
Arabia Kilta
Iittala Kartio
ところで、こちらは実際のヘルシンキオリンピックの聖火台です(写真はWikipediaより)。近年のものに比べて、ごくシンプルな聖火台はKartioに似ているといえば似ているかも知れない・・・ええ、こじつけです。
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今年のロンドンオリンピックは第30回ですが、過去に戦争が原因で開催されなかった会が3回ありました。そのうちの一つ、1940年の第12回オリンピックの開催予定地はアジア初の東京になるはずでした。

ところが1937年日中全面戦争勃発により開催返上。代替地として選ばれたのがヘルシンキで、オリンピックスタジアムも建築されたのですが、1939年ソ連がフィンランドに侵入した冬戦争によって開催ならなかったという経緯があります。1952年のオリンピックは、フィンランドにとっては国際的に復興をアピールし、またソ連に対してガッツを見せる、悲願の開催であったのが想像に難くないです。

また、日本にしても戦後初めてとなる、16年ぶりの夏季オリンピック参加でした。飛行機で9時間半の現代と違い、船でウラジオストックへ渡り、そこから鉄道を乗り継いでの移動でしたので、選手は体力や体調の管理、調整には苦労をしたに違いありません。また、同じく敗戦国であった日本にとって費用もかなりの負担だったでしょう。

それでも水泳、レスリング、体操で9個のメダルを取ったというのですから、当時の選手や関係者たちに対して自然と尊敬の念が浮かんできます。

※ストックホルムオリンピックの話も合わせてどうぞ→イギリスとオリンピックとストックホルムとマラソン

ミタ

ソ連への賠償が機械、船舶、金属製品といった現物も含まれていたことが工業化を推し進め、現在のIT国家フィンランドを作った一因だそうです。

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