イギリスから来たアラビア模様

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こんにちは、イギリス料理は不味い、とはよく言われることですね。
ネットの百科事典Wikipediaの「イギリス料理」には
大体において、「○○国の料理は不味い」といっても、その国の食習慣に外国人が馴染めないだけであり、その国の人にとっては美味しい料理であるという場合が多い。しかし「イギリス料理が不味い」というのは、そのような事とは意味合いが本質的に異なる。イギリス料理が不味いのは、イギリス人自身が認める所なのである。他国の料理をけなすのは、その国の文化を差別するという考えがあるが、そもそもイギリスには美食文化が存在しなかったのであり、それを理解しない事は、ある意味、イギリス文化に対しての無理解であるとも言える。
*太字は私によるものです。

と、まあ、成す術も無い程のこてんぱん振りです。
さて、そんなイギリスでもパブで出されるスープだけは美味しいと言う人がいます。大抵は「Soup of the day」と日替わりメニューになっていて、たっぷりのスープにバターとパンが添えられ出されます。女性ならこれで充分お昼ご飯になるほどの量。
先ほどのWikipediaによるとイギリスでは「食材本来の味を残さないほど加熱する調理法」なので、スープ作りには最適ということなのでしょうか。トマトスープ、豆スープ、ジャガイモとリークなど野菜をコトコト煮込んで作るスープは栄養もたっぷりで、冷えた体を温めてくれます。
写真は、そのイギリスDenby(デンビー)社のArabesque(アラベスク)シリーズ蓋付きの器です。最初何に使うものか分らなかったのですが、当時のカタログで確認するとスープボウルでした。いっぱいまで入れると320ccの大容量。蓋が付いているので冷めにくくなっています。オニオンスープなら、このままオーブンに入れることも可能。熱々の器をオーブンから取り出せるように両端に持ち手が付いているのでしょうか。
もちろん、蓋が付いているので、食器以外にも保存容器としてお使いいただけます。
手彩色による金と赤の特徴的な柄は、1960年代初めにデザイナーのGill Pembertonが夫とソ連(現ロシア)を旅行したときの経験から生まれました。当初の名前はSamarkand(ウズベキスタンの都市、1960年代当時はソ連の一部)でしたが、他のメーカーが同じ名前の製品を出していることで、Arabesque(アラブ風唐草模様)と名前を変えます。
余談ですが、アメリカではArabesqueと名前を変えた後も継続してSamarkandとして販売されていたそうで、国際的な配慮なのでしょうか。
温かみとどこかエキゾチックな雰囲気がするこのシリーズはデンビーでのヒット作の一つで、1963年から約20年に渡って製造されました。Arabesqueには実に様々なアイテムが存在し、当時の人気の高さを偲ばせます。
100510-7.jpg今でもコレクターが多く、実はイギリスの姉もその一人。この写真は姉の家で撮ったものです。
デンビー以外にも同じくイギリスのホーンジーも姉のコレクションの一つ。ご興味がある方は是非下のリンク先をご覧下さい。
サンデーローストとイギリスビンテージ
イギリス料理でも美味しいとされる、姉の焼いたロースト料理もご覧になれますよ!

こちらのスープボウルはまだアップは未定ですが、後ろに写っているクリーマーとシュガーポットは既にアップ済みです。
Denby Arabesque クリーマー
Denby Arabesque シュガーポット
ミタ
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トマトとオレンジのスープというものもあります。意外と美味しいです。あと、お菓子は美味しいとも言いますね。ただ家庭で作るお菓子は美味しいのですが、市販のものはちょっとなあ、という印象が・・・。


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Figgjoの星座プレート

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こんにちは。
なんだか最後のフクヤ通信のアップから1週間も開いてしまいましたね。全くそんなつもりは無かったのですが、月日の経つのは早いものよのお・・・。
そういえば今年も残すところあと2ヶ月余り。ついこの前まで暑い暑いと言っていたのに、今日は肌寒いくらいですね。この時期になると書店に並ぶ来年の占いの本が目に付き始めます。日本古来の占いもあれば、目新しいものもありますが、なんと言っても主流は西洋占星術でしょうね。
もちろん、本場ヨーロッパでも占星術は人気で、自分の血液型と身長は知らなくても星座を答えられない人はいないと思います。ところで、欧米では病気や輸血でもした経験がなければ自分の血液型は知らないもの、というのは良く知られていますが、学校での身体検査が一般的にあるわけではないので、自分の正確な身長を知らない人も結構います(ちなみに私は5フィート5インチと、覚えやすい身長です)。
110927-1.jpgこちらはノルウェーFiggjo社で作られた星座プレートです。デザインはTuri Gramstad Oliverさん。
以前から「北欧のカップ&ソーサー」などの本を作ったProject EGOの名村さんと、三軒茶屋の北欧雑貨の店Klalaさんと会えばTuriさんの本を作りたいね、と話をしています。
「フクヤさんは星座プレートを集める係りね」といわれ、そんなの無理ですよ、と答えたものの、根が真面目なので(?)どこかで見つけるたびにひとつ、ふたつ、と買い付けているうちに気が付くと、もう10枚集まっていました。残すは魚座と射手座のみ。こうなったら全部集まるまでサイトにアップするのは待つかな、という気持ちになっています(が、諦めて10枚でアップするかも)。

110927-2.jpgこの2枚はよく似ているのですが、左が蟹座、右が蠍座です。
蟹というより海老なんじゃない?とTuriさんのセンスを疑ったのですが、調べてみると古くは西洋で蟹はこのような形で描かれていたようですし、今でも同じく海老のような形で描かれることもあるようです。
もしかしたらロブスター?

110927-3.jpgこちらは15世紀に描かれた蟹座のイラストで、Wikipediaからお借りしました→Cancer (astrology)
それはともかく、

110927-4.jpgこの12世紀のフランスの教会の蟹は普通に怖いです。
ずっと見ていると泣きそうになりますね。
いや、もう本当に。

ミタ
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このモチーフのある教会はフランスのイソワールにある”St Austremonius”です。他の星座もありますが、どれも怖めです。


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賢明で勇敢である・・・

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おはようございます。
この写真はデンマークNymolle社の飾り皿です。小さな動物と戯れる美しい女性が描かれた華やかなイラストは、デンマークの国民的画家、Bjorn Wiinblad(ビヨン・ヴィンブラッド)によるものです。
110920-2.jpgこちらは、そのWiinbladのプレートと一緒に入荷した、旧東ドイツが輸出用に製造したの子ども用のプレートです。1枚にはライオン、もう1枚にはフクロウが描かれています。
不思議な組み合わせですよね?動物を2種類選ぶなら、例えば犬と猫(ペット仲間)とか、羊と馬(牧場仲間)とか、何かしら似ているものを選びそうなものなのに、猛獣と鳥なんて。妙に心に引っかかります。
商品説明を書くためにじっと見ていると、ふと「ライオンってヨーロッパでは王の紋章に使われる勇気の象徴よね」と思い出し「そういえばフクロウは知恵の象徴だったな」と大昔に大英博物館で見たフクロウの彫像にあった説明書きの記憶が浮かんだところで、ハッとしました。
そう、この二つの動物を選ぶ理由はちゃんとあったのです。
子どもに「知恵」「勇気」を持って欲しいとの願いを込めていたのですね。
と、そこに気が付いたところで、やはり心に引っかかっていたトップのNymolleの飾り皿が頭に浮かびました。
この飾り皿、小鳥と描かれている方は「Sophie」、猫と描かれている方は「Louise」と女性の名前が付けられています。ヴィンブラッドは絵皿に季節や象徴的な言葉をタイトルとして選ぶことが多く、このように具体的な人名が付いているのは初めて見ました。
そのため、なんとなく違和感があったものの、何がおかしいのかうまく摑めないでいました。
「Sophie(ソフィー)」は英語では「Sophia(ソフィア)」、ギリシャに起源を持つ名前で”叡智”を意味します。実は以前英語を教わっていた先生の名前がソフィアで、そのときに意味を聞いて知っていました。
Sophieが”知恵”なら、もしかしてLouiseは”勇気”なのでは?
早速、英語の子供命名サイトでLouiseを調べてみると、ドイツが起源で意味は”famous warrior”、日本語で”名高き勇士”。つまり、「勇気」という意味があったのです。
改めて見てみると、Sophieの小鳥はフクロウと同じ鳥ですし、Louiseの猫はライオンの小型と思えます。一見ロマンチックな絵柄の、このプレートにも「知恵と勇気」のテーマが隠されているのではないでしょうか。
ヴィンブラッドは茶目っ気のある人物だったのか、絵皿のタイトルにはちょっとひねりのあるものを選ぶことが、まま有ります。今回もタイトルに仕掛けを施してくれていたようです。それともヨーロッパ人にはすぐに分る事なのかな?
Wise and Brave。賢く、勇敢であること。
欧米人の求めるひとつの理想の姿を、全く違う表現で描いた2種類のプレートです。ただいまサイトにアップすべく準備中です。セットで揃えるとよりそのメッセージが伝わるかと思います。どうぞお楽しみに。
ミタ
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大英博物館で母にフクロウの説明書きを読んであげると「賢くなりますように」とフクロウの頭をなでていました。お地蔵さんじゃないんだから・・・。


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世界一のおばあちゃん!(おじいちゃんも)

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おはようございます。今日は敬老の日ですね。
母の日や父の日は世界各国にあり、北欧にもそれぞれの日をテーマにした絵皿やカップがあります。一方敬老の日は日本独自です。
こちらはイギリスHoernsea(ホーンジー)のマグで、おばあちゃんが描かれています。もちろんイギリスには敬老の日はないので、特に敬老を意識したものでは有りませんが、今日の日にふさわしいイラストだったので取り上げてみました。
イラストの反対側には「THE WORLD’S BEST GRANMA(世界一のおばあちゃん)」と書かれています。
ロッキングチェアーに座ったおばあちゃんが手にステッキならぬストックを持ち、雪山を滑走している・・・確かにこんなおばあちゃんがいれば”世界一”ですね。
ホーンジーは1988年に閉鎖し、既に存在していないメーカーですが、イギリスだけでなく世界中にコレクターがいます。1970年代にKenneth Townsend(ケネス・タウンゼント)がデザインした「Loveマグ」と呼ばれるカップルの1年を描いたシリーズは人気のひとつ。
このマグは同じKenneth Townsendが、やはり1970年代にデザインした「世界一の~」シリーズの一つです。プレゼントとして選ばれることを意識して作られたのでしょう。おばあちゃん以外にもお母さんやお父さん、ゴルファーや園芸家のような趣味の分野、そして”世界一の壁紙さん”なんて花柄の壁紙に囲まれた女の子の、よく意味の分かるような、分からないような絵もあります。
もちろん忘れてはならない、「世界一のおじいちゃん」もありますよ。
110919-3.jpgこれは当店の商品ではなく、イギリスの姉が随分と前に両親にセットで贈った「おばあちゃんマグ」と「おじいちゃんマグ」のおじいちゃんの方で、実家の私物です。写真は実家から昨日送ってもらいました。

110919-4.jpg反対側の写真を見ていただけると分かるように、おじいちゃんのはるか彼方には、ロッキングチェアーで滑走するおばあちゃんのシルエットがちゃんと描かれているのです。

110919-2.jpgもちろん、おばあちゃんの方には山登りするおじいちゃんのシルエットがあり、ペアになっています。揃えると面白いのですが、残念ながら今回はおばあちゃんだけの入荷です。
こうやって見ると、二人は別々の山にいるのですね。付かず離れずの距離を保っているベテランカップルです。

サイトへのアップはもう少し先になりそうなので、今日の敬老の日、というわけにはいきませんが、例えば誕生日などにおばあちゃんへのプレゼントにいかがでしょうか。
こちらのマグは今月か来月にはアップする予定です。なんとなく、いつ頃アップかなあとお待ちいただければと思います。
ミタ
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ロッキングチェアーでスキーをしなくても、誰にとってもおばあちゃんは世界一に決まっていますね。


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リンドベリの不思議世界

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スウェーデンのグスタフスベリ社を代表するデザイナー、スティグ・リンドベリ。
近年復刻された食器、Berså、Röd AsterやBlå AsterのAsterシリーズ、Turturのデザイナーとして知られています。
トップの写真の花瓶はそのリンドベリがデザインし、1960年から72年の間に制作された「Karneval(カルネヴァル)」シリーズの一つです。シリーズは全部で32種類作られ、どれもリンドベリが創造した奇妙な生き物たちが手描きで描かれています。
この作品の魅力は、もちろんリンドベリの絵にあるのですが、それを生き生きと描いた絵付師たちの腕にもあります。リンドベリの元で働いた絵付師たちの中には後に自分のスタジオをグスタフスベリに持ち、代表作に「コボルト」シリーズもある学生時代のカーリン・ビヨルクヴィストも含まれていました。
カーリンについては以前ご紹介しました→「受け継がれる美」
リンドベリのスタジオは若きアーティストの卵たちの修行の場でもあったのか、この作品群は使う色の種類に決まりはあったものの、その組み合わせはある程度彼らに任されていたようです。というのも、同じ作品でも色の取り合わせが異なったものが何種類も存在しています。更に、絵が左右反転している場合もあり、当時のおおらかなスタジオの雰囲気が感じられます。
Karnevalとはカーニバルのことで、日本語で「謝肉祭」。キリスト教に親しみのない日本の人にはあまり知られていませんが、カーニバルは宗教にまつわるお祭りです。キリストが復活したとされる日の前46日間、祈り、断食し、悔い改める宗教的習慣(レント)があるのですが、その「つらいレントの前に食べて飲んで大騒ぎしよう」という煩悩満開のイベントで、2月ごろに行われます。
カーニバルはイタリア、ベニスの仮面舞踏会、そしてリオのカーニバルが有名ですね。特にリオは南半球にあり、季節が逆なので北半球の冬が夏となり、露出の高さやラテン系ならではの陽気で華やかな姿も目を引きます(ちなみに以前ベニスのカーニバルに行った時は真冬の寒さに震えました)。
調べるとスウェーデンではカーニバルの習慣は無さそうでした(2月のスウェーデンなんて寒いし暗いし雪だし)。けれどもイタリアだけでなく、ドイツでも大きなカーニバルがあり、また18世紀から始まったリオのカーニバルは1950年代には映画の背景となっていたので、スウェーデンでも知られていたのかもしれません。リンドベリのKarnevalシリーズの不思議で奇妙な雰囲気はそこから連想したのでしょうか。
この花瓶の絵は一見普通ですが、裏には鳥人間がキューピッドよろしく弓を持ち、魚に向かって矢を射ようとしています。この船も良く見れば帆の支柱には花がくくり付けられ役に立ちそうにありません。その代わりどうも下の大きな魚が船を動かしているようです。
こういう不条理な絵を見ると、どうしても画家の意図やモチーフの意味を探ろうとしてしまうのですが、この場合は単にその不思議世界を感じるだけでいいような気がします。
カーニバルで賑やかな音楽と衣装に酔いしれ、その雰囲気に身を任せるように。そもそもカーニバルの意味なんてその場にいる人たちは誰も考えていないように。このシリーズも、絵付師たちによって、感じるままに自由に生き生きと作られた雰囲気を楽しんでもらえればと思います。
こちらの花瓶は、サイトにアップをただいま準備中です。どうぞ、お楽しみに。
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いまは余程敬虔な信者でもない限り、断食する人はいません。
が、カーニバルは廃れません。
にんげんだもの(by相田みつを)


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