邸宅に咲いた小さな花

以前、アイルランド人の知人が「友達のお嬢さんがマナーハウス・スクールを卒業してね」というので「それって何ですか?」と尋ねると、「勉強だけでなく行儀作法も教えてくれる学校」なのだと。
それで早とちりをしてしまって「なるほど!マナーズを教えてくれるから”マナーハウス”なのですね!」と答えると「そのmannerと、このmanorは違うのよ。」と訂正されてしまいました。
後で調べるとmanor houseとは、イギリス貴族が荘園に建てた邸宅のことで、現在それらの中にはその建物を利用し、前出の学校だけでなく、宿泊施設、レストランなどに改装したり、一般に見学開放されているものもあるのだそうです。
先ほどの”Manor House School”とは単にそういった学校のひとつの学校名でした。
0827kartano.jpgさて、そんな昔の話を思い出したのは、このエステリ・トムラがデザインしたArabiaのKartanoティーカップのせい。
Kartanoという意味をフィンランド語-英語辞書で調べると”manor(荘園)”とあったからです。
このカップが作られたのは1973年。この年アラビアは創立100周年を向かえ、エステリ・トムラは、その100周年用の記念食器もデザインしています。
同じ年には100周年シリーズとよく似たGardenia、そしてVanomo、Aurinkoもデザイン。それらのデコレートがどちらかというと華やかなのに比べ、このKartanoはとてもシンプルです。
単純なストライプとドットだけで小花模様が装飾され、色もモノトーン。まるでここだけ別の、静かな時間が流れているようです。
このカップで紅茶を飲むとゆったりとした気分がして、貴族のお屋敷でお茶を楽しむ雰囲気が味わえるかも知れません。
ところでマナーハウスには、びっくりするくらい広く美しいお庭があるそうです。調べてみると、フィンランドにも一般公開されているKartanoがあるそうなので、いつか行ってみたいですね。
ここのサイトからフィンランドのマナーハウスが検索できますよ。
ミタ


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太陽と色の不思議な関係

色の嗜好は住んでいる地域によって異なります。
例えば、いかにも南国風な鮮やかな赤。緯度の低い国では太陽の光が赤みを帯び、赤系統の色が美しく輝いて見えるのです。
ですので、より赤道に近い国ほど暖色系の色が好まれます。
南の国で買い求めた、美しい赤い色の素敵な生地が日本に持ち帰るとくすんで見えるのはそのため。そもそも太陽の色が違うんですね。
その反対に緯度の高い北国に行けば、太陽の光は青みを帯び、青系統の色を美しく輝かせて見せるため、寒色系の色が好まれます。
例えば北欧を代表する色、スカンジナビアンブルー。北欧5国の国旗の内4国にブルーが使われています。
世界の国旗で一番多く使われている色は赤といいますから、その嗜好の高さがうかがえますね。写真の通り、ブルーの食器も多い。
0825scandinavian_blue.jpg昔、学校を卒業して最初に勤めたデザイン系の会社で、先輩の家のパーティーに呼ばれたことがあります。
そこで出された食器は、和風あり洋風ありと絵柄も形も大きさも、まちまちな食器ばかり。でも全て青と白で統一されていてすっきりと美しく、なんて素敵なんだろうと思いました。
センスというものは、こういうところに現れるのかもしれません。
浮気性の私はいろんな色に目移りがして、とてもそんなことはできないのですが。
そこで、せめて写真だけでもとブルーの食器を集めてみました。ほーら、デザインも形もまちまちなのに、見事な統一感。なかなかいいじゃないですか。
花柄が多いのも目立ちます。ブルーの花柄とテーマを決めて集めるのも楽しいかも。
写真の食器は左から、VeronikaFaenzaVariantAurinkoステンシルのコーヒーカップ Mon AmieRiikkaです。
さて、Fukuyaは明日から9月3日まで夏休みです。この間のお問い合わせの返信、商品の発送は9月4日以降になります。
ご不便をおかけしますが、よろしくお願いします。
ブログも(多分)お休み。それでは皆様、良い夏を!(遅れてる?)
ミタ


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茶色い稲妻のヴィゲン!

セラミック科(平たく言えば陶芸?)卒のユキと、日本画専攻だった私は二人そろって芸術系。それに対して工学部卒のアケは、ただ単に理系というだけでフクヤの経理を兼任しています。0824viggen.jpg
「理系だからって数字に強いわけではない!」と抵抗を受けましたが(ここで強く頷く理系出身者多数)さしあたり任命。
確かに私も以前、友人のお母さんに「ドライフラワーの作り方教えて。美大だから分るんじゃないの?」と言われたときには、「そ、それは…勘違い…?」と困ったことが有りましたから(ここで大きく頷く芸術系出身者多し)言いたいことは分る。
とはいえ、この写真のような”関数計算機”を持っているだけで、もう違う気がするんですけど。まあ、彼女が上3列のキーを使っているところは見たことは有りませんが。
あ、でもちゃんと簿記の勉強もして試験も受かりました。よかったよかった。
さて、関数計算機の横にあるのはGustavsbergのViggenコーヒーカップ。幾何学模様が理系っぽいので選んでみました。
茶と黒がジグザグとカップを囲んで、目の錯覚で丸いはずのカップが多角形に見えるから不思議。
白いベースにコントラストの際立った配色はモダンで男性的。濃い茶系は色の心理効果でコーヒーをより薫り高く、おいしく感じさせます。これは本当で、同じ味の缶コーヒーも缶の色が濃いほうが、香りも味も濃く感じるそうですよ。
コーヒー党の理系男性へのプレゼントにどうでしょうか。
ところでViggenとはスウェーデン語で稲妻という意味。結構まんまのネーミングです。
どれくらいまんまか確かめたい方はこちらまで。
ミタ

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休憩、休憩

最近復刻が話題のリンドベリの代表作、Bersa。
0821bersa.jpgところが、復刻版のケーキプレートはオリジナルとは形状と柄の入り方が違っています。オリジナルはフラットな形状で葉も小さめなのに対し、復刻版は軽くラウンドし、葉も大きく描かれています。
こっちのほうが量産に適しているというメーカー側の都合か、前とまったく同じでは芸が無いという担当者のプライドか?気になる。
ところで、”bersa”とはスウェーデン語で”木陰の休息所”という意味なんだそうです。日本語で言うと”あずまや”ってやつですか?ちょっとイメージ違うかな。
さて、森林浴が話題になって久しいのですが、森林浴のよさは緑を目に入れるということにも関係があるのだそうです。
緑色は心に働きかけ、穏やかで安定した気持ちにさせるのだとか。なるほど、Bersaを見たときの安らかな心地よさはここに有るのかも。
それならば忙しい朝の食卓に、我が家に「あずまや」が無いのなら、せめて食器だけでも緑を取り入れましょうか。
…なんて、健康番組のようになってしまいましたね。
グスタフスベリのBersaプレート、その絵付けの方法からペイントロスがどうしても出てしまうのですが、できるだけペイントロスの少ないものを集めました。
ミタ


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アラビアのロータス

夏真っ盛りというのに、今日外出したら、百貨店のウィンドーはもう秋の装いでした。私はまだ、海にも山にもプールにも行っていないのに…。
0818katrilli.jpgこのArabiaのKatrilliもそんな秋の雰囲気満載。周りを彩る花の絵はおそらく蓮か睡蓮の姿でしょう。
“Katrilli”という名前そのものはフィンランドのフォークダンス(ミュージック)の名前と同じなのですが、この花の絵との関連は不明です。
デコレートはエステリ・トムラ。フォルムそのものはウラ・プロコッペで、彼女の代表作”Valencia”と同じ。
フォルムを上下に二分するように茶と白で塗り分けられ、その中央にふんわりと浮かんでいるのは、東洋を象徴する蓮の花。オリエンタルの雰囲気が漂います。
ヴァレンシアもそうですが、このフォルムはオリエンタルなデザインにこそ映える気がします。
ところで、よく見ると同じように見える花の一つ一つは、微妙に異なり一つとして同じものはありません。
私はこういう凝ったディティールを、シンプルな中に発見すると嬉しくなっちゃいます。(凝ったデザインが凝っているのは当たり前ですからね)
「神は細部に宿る」とは20世紀を代表する建築家のミース・ファン・デル・ローエが好んで引用した格言。細部にこそ物事の本質があり、細部に目を配ってこそ、全体の完成度が高まるということなのでしょうか。日ごろの自分を思うと耳が痛いです…。
Katrilliデミタスカップはこちら、ぜひ実際に手にとって柄の一つ一つをご覧ください。
同じくクリーマー、シュガーボウル、スーププレート、ディナープレートも入荷しています。あわせてどうぞ。
ミタ


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